高尿酸血症(痛風)とは?

高尿酸血症イメージ

高尿酸血症は、血液中に含まれる尿酸の量が多くなり過ぎている状態で血清尿酸値が7.0 mg/dl以上と定義されています。高尿酸血症が続くと体内の尿酸が増加し、関節や尿路に尿酸塩が結晶としてあふれ出るような状態になります。あふれ出た尿酸塩結晶を体内の白血球が反応することで起きるのが痛風関節炎になります。

高尿酸血症だけでは症状はありません。高尿酸血症による痛風発作の場合は、ある日突然に起こり関節が赤く腫れ上がり歩くことが困難になるほどの激しい痛みを生じます。慢性的に痛風発作を繰り返していると痛風結節が出来たりします。尿酸塩結晶による尿路結石や慢性間質性腎炎を繰り返すと腎不全など重篤な合併症を引き起こす可能性もあり早めの治療が必要となります。

食生活の欧米化に伴って、日本の痛風患者は成人男性の20%、成人女性の5%と報告され現在も増加傾向です。高尿酸血症を改善させる食事療法としてプリン体を多く含む飲み物や食品を制限することが強調されていますが、高尿酸血症には高血圧や糖尿病などの生活習慣病や心血管疾患を合併していることが多くカロリー全体を制限することが重要視され、様々な疾患のコントロールが重要になります。

高尿酸血症と
診断するには?

定期検診や人間ドック、健康診断で行う血液検査の尿酸値が7.0 mg/dlを超えると高尿酸血症です。

高尿酸血症の検査は?

血液検査を行います。尿酸値が高い方は、多くは高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を合併していることが多くその他の疾患の有無も確認します。

高尿酸血症の治療は?

高尿酸血症の食事療法としてはプリン体に注意することが大切となります。豚肉や牛肉などのレバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわし等にはプリン体が多く含まれているので必要に応じて食事制限します。また、ビールなどの飲み過ぎも尿酸値を高める原因となります。最近では、食事自体のカロリー制限をすることも食事療法として重要と言われています。

血液検査で血清尿酸値が7.0 mg/dl以上の場合、痛風の既往や痛風結節などを認める場合は薬物治療の対象となります。薬物治療は、患者さんの背景によって、尿酸を体外へと排泄しやすくする薬、もしくは尿酸の生成を抑制する薬が用いられます。痛風発作を発症している場合は、痛み止めや炎症を抑える内服薬し、痛みや炎症が消失してから尿酸の薬を開始します。血清尿酸値の目標値は6.0 mg/dL以下を目標とします。