失神とは?

失神イメージ

失神とは、一時的に脳の血流が低下することにより引き起こされる一過性の意識消失のことを指します。失神は比較的速やかに発症し、多くの場合は自然に速やかに改善します。低血糖やてんかん発作などの意識障害が遷延する場合は失神とは言いません。失神は年間に1000人に6人程度発症すると言われ様々な原因で起き、様子を見ていい軽症から突然死を引き起こす重症なものまで多岐に渡ります。軽症の症例で多いのが迷走神経反射と呼ばれる急に立ち上がったりして血圧が急に低下することで生あくびや冷や汗、嘔気、嘔吐などの症状を伴う失神です。一般的によく「貧血」で倒れると言われているのがこの迷走神経反射です。重症の症例で多いのが心原性の失神です。命に関わる心筋梗塞、不整脈や弁膜症、肺血栓塞栓症や大動脈解離などが隠れていることもあり精査が必要になります。失神は、原因がわからない症例も多々あり粘り強く検査することが重要です。

失神と診断するには?

問診が重要になります。気を失うまでの時間や回復具合などを、目撃された方の話なども参考にして評価します。意識消失するため倒れ方によっては、頭部外傷や顔面に傷などがないかも詳しく診察します。失神の疑いがある場合は、心電図や24時間心電図、心臓超音波などで心原性の疾患がないかを評価します。原因がわからないことも多く、高度医療機関で診断目的に植え込み型ループレコーダーを植え込む場合もあります。

失神の検査は?

心電図や24時間心電図、心臓超音波などを行い心疾患が隠れていないかを評価します。必要な場合は頭部CTやMRIの撮影を行うこともあるかもしれません。失神は救急医療の現場でも原因がはっきりしないことも多く、繰り返す失神の場合は植え込み型ループレコーダーを留置して失神時の不整脈の有無を確認することもあります。

失神の治療は?

失神の原因により治療方針は大きく異なります。
迷走神経反射などの場合は、軽症が多く水分摂取などの生活指導が中心になりますが、心臓が原因で起こる失神の場合は命に関わることがありますのでそれぞれの心疾患に対する治療を行います。