慢性腎臓病(CKD)とは

慢性腎臓病(CKD)イメージ

腎臓は血液を濾過して、体の中に溜まった老廃物や毒素、水分や塩分などを尿と一緒に体の外へ出し体内環境を整える役割があります。さらに血圧を調節する作用、血液の素である赤血球の数を調節する作用、ビタミンDの活性化を行うなど腎臓は多岐に渡り活躍しています。腎臓が悪くなると、尿が出なくなり体に毒素が溜まるため血液透析が必要になったり、血圧が高くなり内服治療が必要になったり、貧血が進んだり骨粗鬆症が進行します。

慢性腎臓病(CKD)とは、何らかの腎障害が3ヶ月以上持続する場合と定義されています。日本では、慢性腎臓病(CKD)は8人に1人の罹患率と言われていますが、80歳以上にななると2人に1人と高齢になればなるほど高くなります。原因は、高血圧や、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病は慢性腎臓病に深く関わってきますので、早期からの治療することにより慢性腎臓病(CKD)の進行を抑制することが可能です。肥満、運動不足、飲酒、喫煙など、不摂生な生活習慣の改善が非常に重要です。また、漠然とした痛み止めや腎臓に影響する薬剤の内服も慢性腎臓病(CKD)の原因となることもあるため注意が必要です。

慢性腎臓病(CKD)の初期症状はありません。健康診断で蛋白尿の存在を認めたり、血液検査で腎機能低下を指摘されたりして初めて気付く方がほとんどです。

慢性腎臓病(CKD)を
診断するには?

血液検査や、エコー検査などで明らかな腎臓の障害が明らかな場合、尿検査で尿蛋白が存在している場合、もしくは臨床の現場でよく使用されている糸球体濾過量(eGFR)が60ml/min/1.73m2未満の場合は慢性腎臓病(CKD)と診断されます。

慢性腎臓病(CKD)の
検査は?

尿検査、血液検査、エコー検査などを行います。腎臓の形態異常や原因がはっきりしない場合は専門医への紹介を行い組織の一部を調べる病理検査などを行います。慢性腎臓病(CKD)は、ほとんどが高血圧や糖尿病や様々な基礎疾患を合併している方が多いため、心電図や頸動脈エコー、心臓超音波などを行う必要があります。

慢性腎臓病(CKD)の
治療は?

まずは、塩分制限と蛋白制限を中心とする食事療法がとても大切になります。また節酒や禁煙も必要になります。慢性腎臓病の方は特に高血圧や糖尿病、高尿酸血症の厳格なコントロールも必要になります。内服薬も今は、心臓や腎臓を保護する薬剤もありますので主治医に相談が必要です。慢性腎臓病の最終的な治療目標は、血液透析に至らないように予防することが重要になります。