弁膜症とは?

弁膜症イメージ

心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋に分かれています。4つの部屋にはそれぞれ血液の逆流を防止する弁があります。右心房から右心室には三尖弁、右心室から肺動脈には肺動脈弁、左心房から左心室には僧帽弁、左心室の出口には大動脈弁があります。弁膜症は大きく分けて2つのタイプがあり、リウマチ熱などの炎症や動脈硬化などで硬くなり弁の開きが悪くなる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全になる「閉鎖不全」があります。

弁膜症の主な症状は様々であり、動いた時に症状を認めることが多いです。弁膜症の方は症状が出ても歳の影響だからと見過ごされることが多いです。以下のような症状がある場合は一度ご相談ください。

弁膜症でよく認められる症状
  • 身体がだるい
  • 疲れやすくなる
  • 動悸がなかなか治まらない
  • 息切れする頻度が増える
  • 階段の昇り降りなどが辛くなる
  • 胸部に痛みを感じる
  • 足がむくむ
  • 食欲がなくなる
  • 意識を失うことがある

弁膜症は、この高齢化社会で増加傾向であり日本では75歳以上で200万人以上いると言われています。弁膜症は心不全の原因の一つでもあり、そのままにしておくと心不全を繰り返しながら、身体機能が悪化する悪循環になるのが特徴です。気になる症状がある場合は早めの受診をお勧めします。

弁膜症と診断するには?

弁膜症と診断するには、まず問診と聴診を行います。問診では、前述した症状がないかを確認し、どの程度日常生活に支障がきているかなども評価の一つです。その後聴診を行い心雑音の有無の評価を行います。次に心臓超音波を行い心臓の働きや悪くなっている弁を特定し、弁の動きや狭窄や逆流の程度を評価します。

弁膜症の治療

弁膜症が比較的に軽度の場合は、お薬によって症状を和らげ経過観察します。お薬ではある程度の症状を緩和することは可能ですが、弁の状態を改善させているわけではありません。病状が内服でコントロールできない場合や重度の場合は、外科手術やカテーテル治療を行うことになります。以前は外科手術による治療しかありませんでしたが、現在はカテーテルを挿入して行う治療も普及してきましたので患者さんの背景に合わせて治療を選択します。